弁護士による相続相談【弁護士法人心 藤沢法律事務所】

遺言の執行費用についてのQ&A

  • 文責:所長 弁護士 菅沼大
  • 最終更新日:2025年1月10日

遺言の執行費用は、どのような場合に発生するのでしょうか?

遺言において、遺言執行者の指定がなされており、遺言執行者が遺言内容を実現するための職務を行った場合には、遺言執行者に対して報酬を支払うことがあります。

このように、遺言執行者に対して支払われる報酬のことを、遺言の執行費用といいます。

遺言執行費用がいくらになるかは、どのように決まるのでしょうか?

遺言執行費用は、遺言を作成した人が定めることができます。

たとえば、相続財産額の何%といった定め方がなされます。

遺言執行費用をいくらと定めるかは、基本的には、遺言を作成した人の自由です。

ただし、遺言執行費用があまりに低額である場合は、遺言執行者に指定された人が就任を辞退する可能性もあります。

遺言を作成した人が遺言執行費用を定めていなかった場合は、どうなるのでしょうか?

遺言を作成した人が遺言執行費用を定めていなかった場合には、家庭裁判所が、遺言執行者からの申立により、遺言執行費用をいくらにするかを決定することができます。

遺言の執行費用は、いつ発生するのでしょうか?

遺言の執行費用は、基本的には、遺言執行が完了した段階で発生します。

基本的には、相続財産の払戻・名義変更が完了し、遺言執行者の口座に払戻金の全額が入金された状態に至れば、遺言執行が完了したものと考えられますので、遺言執行費用が発生することとなります。

遺言執行費用は、どのように支払がなされるのでしょうか?

遺言執行者は、遺言執行者の口座に入金されている払戻金から、遺言執行費用を差し引き、残金を相続人等に引き渡すことが多いです。

なお、遺言により相続財産を取得する相続人等が複数である場合は、それぞれが取得する相続財産額から、それぞれが取得する相続財産額に応じて、遺言執行費用が差し引かれることが多いです。

遺言執行費用が発生した場合は、遺留分の計算の際、考慮してもらうことができるのでしょうか?

遺言により財産を取得しなかった相続人から、遺留分侵害額請求がなされることがあります。

この場合、遺言執行者に支払った遺言執行費用は、民法の規定により、遺留分の計算の際、相続財産から差し引くことができないとされています。

このため、遺留分権利者との関係では、遺言執行費用は、専ら、遺留分義務者が負担するものと扱われることとなります。

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